〔通常版〕nyx叢書003『大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝 』のレビュー

〔通常版〕nyx叢書003『大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝 』
〔通常版〕nyx叢書003『大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝 』

49ページ、アソシエーションは土地や地所に適用される場合には、
・・・マルクスの著作の引用だと思い、偶然手元にあった全集の40巻を開いてみると、427ページから428ページに、引用された文章が見つかった。53巻の全集の1冊しか、手元にないのに、不思議なことだ。
協同組合のたまり場に、『大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝』と『人新世の「資本論」』を展示して、購入を訴えている。
マルクスの関心が、農学、地学、ロシア語と広がるので、マルクス学徒は、トルストイで許してもらおうと、『戦争と平和』『復活』も展示してある。
大洪水の前に、大地震と大津波の前に、新型コロナのパンデミックの前に、そして核戦争の前に、資本主義の暴走を止めなければならない。
資本主義の驚くべき弾力性の秘密とその矛盾、2020年も暮れていく。読んで元気がでる本は、ありがたい。
難解な本は、もっとありがたい。読了して、しばらくすると、何が書いてあったか思い出せない。だから、もう一度、初めて読む気持ちで読めるのだ。

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星の王子さん

ワーカホリックだった私は、三児の誕生をきっかけに生活を改め、働くペースを調整し、酒をやめて、資本論を手に取った。

資本論を読みながら少しずつ会社の洗脳から解かれていった。
当時の私は、資本主義とは上手くつきあわなければいけない、そして空いた時間で家族や自分の生活を充実させることが大切なことなんだと、自分の狭い世界を改善するためにマルクスを読んでいた。

本書を読む前には、「マルクスとエコロジー?」と思ったが、マルクスが資本論にまとめてきれずに残した膨大なノートの研究から、マルクスの環境に対する一貫した関心の高さがうかがわれ、19世紀の科学の知識ながらも、その思想の骨子は現代の環境危機を捉え直すのに有効な思想であることが示されていた。

資本主義は、地球に限界があるのにもかかわらず、いくつもの障害を乗り越えて蓄積を続ける。その過程で環境は不可逆的に破壊され、持続性のない経済活動は、未来のために残されるべき資源を濫費し、子どもたちから、美しい地球を、未来を、掠奪する。

そして、私は思ったのだ。

資本主義は上手に付き合うことが出来るようなシステムではない。資本主義はやばい。やばすぎる。

資本論の範囲に収まった今までの私の考えでは足らなかった。マルクスの思想は労働者のためだけの思想じゃない。子どもたちの未来に向けられた思想なんだ。

ありがとうマルクス!
ありがとう幸平さん!

子どもたちの未来のために本書を読もう!

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鈴木キンゴローさん

熱いレビューありがとうございました!

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