【著者サイン有】〔特装版 ウイスキーブラウン〕斎藤幸平『大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝 』のレビュー

【著者サイン有】〔特装版 ウイスキーブラウン〕斎藤幸平『大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝 』
【著者サイン有】〔特装版 ウイスキーブラウン〕斎藤幸平『大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝 』

斎藤幸平『大洪水の前に―マルクスと惑星の物質代謝 』は、廣松渉『生態史観と唯物史観』のように、マルクス主義にエコロジーを加算し融合させるのではなく、マルクスの『パリ・ノート』『ロンドン・ノート(特に『省察』)』の中に、エコロジーの先駆けとなる「物質代謝」を巡る思想を見出し、生産力中心主義、プロメテウス主義との批判を否定し、地球の環境危機に対応しようとする試みです。まず、『パリ・ノート』によって、その部分である『経済学・哲学草稿』が見直され、疎外論を基にした若きマルクスと、『資本論』を書いた後期マルクスとでは、『ドイツ・イデオロギー』を境に認識論的断絶があるとするアルチュセール、廣松渉説が否定され、土地と結びついた和気あいあいとした関係から、商品と貨幣を媒介とした関係への変容が問題となっているとして連続説が取られ、次に『ロンドン・ノート』の『省察』によって、マルクスは自然科学を探求し、利潤追求の果てに起こるであろう「大洪水」に備えるべく「物質代謝」の観点から環境を考えようとしていたとします。マルクスがさらに長生きをしていたら、『資本論』の後半に「物質代謝」の問題が取り上げられたのでしょうか。兎も角、本書は論争的な書物であるため、議論の前提となる『パリ・ノート』と『ロンドン・ノート』の訳出が必要になるでしょう。と同時に、議論の行方がどうであれ、環境問題のために、いますぐアクションを起こす必要もあるでしょう。地球のカタストロフまで、余り時間はないでしょうから。各自、自分の立場から、自分のできる事を尽くすしかありません。

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harapionさん
この度はご購入ありがとうございました。レビュー内容は著者にもお伝えさせて頂きます。 今後とも著者への応援、何卒よろしくお願いいたします。
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