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緊縮ノスタルジア(オーウェン・ハサリー 著)

2,970円

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「KEEP CALM AND CARRY ON」。 この言葉は第二次世界大戦中にイギリス情報省が作成した「空襲を受けてもそのまま日常を続けよ」という意味のスローガンである。このノスタルジックな言葉が現代イギリスであふれかえっている。これはいったいなぜなのか? イギリスでもっとも精力的な若手批評家の一人であるオーウェン・ハサリーが明らかにする。 本書では、緊縮財政下の現代イギリスが、いかに第二次大戦期(=以前の緊縮時代)へのノスタルジアで覆われているのかを、デザイン、建築、食品、映画、音楽など幅広い視点から論じる。 『ガーディアン』『ロンドン・レビュー・オブ・ブックス』『アーキテクチュラル・レビュー』などの雑誌に数多く寄稿。イギリスでの著書は10冊以上。期待の論客によるイギリス文化論が、満を持して日本上陸! ★推薦!★ 本書は、2010年代の緊縮イギリスにおける、1940年代──もうひとつの緊縮と、福祉国家建設の時代──への文化的ノスタルジアを批判的に検証することで、新自由主義と緊縮政策を超え、同時にかつての福祉国家をノスタルジックに理想化することなしに未来の社会を構想するには何が必要なのかを指ししめしてくれる。そのためには、新しいパンだけではなく、新しいバラも必要なのだ。  ――河野真太郎(専修大学教授) 目次 終わりなきノスタルジア 日本語版への序文 序章 緊縮財政のがらくた市 第一章 殴って隠せ 第二章 クレメント・アトリーの亡霊はわたしたちを救うことができるか? 第三章 英国社会主義の美的帝国 第四章 家族写真 第五章 緊縮都市の建設 訳者解説――ノスタルジアの功罪 星野真志 訳者解説――緊縮ノスタルジア美学の効用 田尻 歩 翻訳にあたっての謝辞 版元から一言 装丁 nipponia 著者プロフィール オーウェン・ハサリー (著/文) 1981年、イングランドのサウサンプトン生まれ。ロンドン大学バークベック校で博士号取得後、フリーランスの批評家として、モダニズム建築などについて『ガーディアン』、『ロンドン・レビュー・オブ・ブックス』などに執筆しながら、多数の著書を発表。現在は『トリビューン』誌の文化欄編集者。本書は日本語に訳される最初の著作。 星野 真志 (ホシノ マサシ) (翻訳) 1988年群馬県太田市生まれ。一橋大学で学士号・修士号取得後、マンチェスター大学英米学科で博士号を取得。2020年4月より日本学術振興会海外特別研究員(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)。訳書にナオミ・クライン『楽園をめぐる闘い』(堀之内出版、2019年)など。研究対象は1930~40年代英国の文化と政治、とくにジョージ・オーウェル、ドキュメンタリー運動、英国のシュルレアリスムなど。2019年1月、論文 ‘Humphrey Jennings’s "Film Fables": Democracy and Image in "The Silent Village"’で英国モダニズム学会新人論文賞を受賞。 田尻 歩 (タジリ アユム) (翻訳) 1988年東京都生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了。博士(学術)。翻訳にピーター・ホルワード「自己決定と政治的意志」『多様体 1』(月曜社、2018年)など。専門は写真理論、20世紀後半以後の芸術理論、マルクス主義美学。論文に「理論と実践の間の写真――アラン・セクーラの写真理論再読」『年報カルチュラル・スタディーズ』第6号(カルチュラル・スタディーズ学会、2018年)など。

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